会長挨拶

第35回日本麻酔・集中治療テクノロジー学会

会長 片山 勝之

(医療法人手稲渓仁会病院)

 手稲渓仁会病院麻酔科、片山勝之より一言歓迎のご挨拶を申し上げます。
 この度、第35回日本麻酔・集中治療テクノロジー学会(JSTA)を初めて北海道の地で開催させて頂くことになりました。
 例年11月末に行われる本会ですが、北海道は11月から12月の天候が大きく崩れることが多く、第35回は例外的に8月末の夏の終わりに開催させて頂くことに致しました。
 現在、特別講演として、公立はこだて未来大学複雑知能学科の松原仁教授による「人工知能の現状と未来(仮)」と、富士通「京」開発プロジェクトチームによる「スーパーコンピュータ京の挑戦(仮)」の2題を予定しております。
 特別講演の専門家から次世代のテクノロジーの在り方のヒントを得たいと考えております。
 さらに、AIMSを例として、その発展の歴史を整理し、これから目指すべき方向性を模索したいと考え、広島大学の讃岐美智義先生に、自動麻酔記録のgapとmust「テクノロジー学会からの基本的提言」というシンポジウム企画をお願いいたしました。  また恒例の前夜祭も皆様にお楽しみ頂ける趣向を鋭意準備しております。
 さて、日本麻酔・集中治療テクノロジー学会が発足した1982年以後の35年間に日本には次々とIT化の波が押し寄せ、医療だけでなく日本全体が大いに新しいテクノロジーの恩恵を受けて参りました。
 私は1981年に医師になりましたので、まさに次々と古い医療が新しい医療に塗り替えられていく歴史を目の当たりにすることが出来ました。そして35年前に実現を切望していた多くのテクノロジーが現実のものとなりました。
 1980年にNEC「文豪」、富士通「OASYS」、1981年シャープ「書院」などのワープロが登場しましたが、病院に導入されたのは100万円を切る価格になった1982年以後のことでした。
 1982年にはマイクロソフトがMS-DOSを発売し、日本でもNEC PC-9801が発売され、1980年代後半になってようやく本格的にパソコンが普及し始めました。
 私は1987年にMacintosh Plusを購入して以来、30年間Macユーザーを貫いてきましたが、その間に同年配のApple Computer創業者Steve Jobsが激動の人生劇場を演じきり、伝説の人となったことも印象深いことでした。
 そんな時代背景の中で、この日本麻酔・集中治療テクノロジー学会が発足し、先進的な諸先輩諸兄が学会を牽引されてきました。
 是非、この第35回JSTAが次の世代のテクノロジーの新たなる礎となることを祈念しております。
 6月から9月までの3ヶ月間の北海道は世界で最も過ごしやすい場所と言われておりますので、是非観光も兼ねて全国より札幌を訪れて頂ければ幸いです。