"Dual cabling"による手術部・ICUネットワーク(第3報)
獨協医科大学第二麻酔学教室
○岩瀬良範、崎尾秀彰
本学手術部および集中治療部では、DS-5300シリーズ(フクダ電子)によるネットワー クモニタリングを行っている。ケーブル工事時に、コンピューター用のネットワーク ケーブルも並行に敷設し手術室内からでもインターネットの利用が可能な環境を確立 した。(既報告)
導入から満4年を経過した現在、ネットワークに対する理解や要望も大きく変化した 。前回の報告からの変化を中心に、新たに実現した機能を報告する。
[要望(目的)]
特に要望が強かったのは、1.データ収集ソフトウェアの信頼性向上、2.症例別のバイ タルサインの記録と一元化、3.DSシリーズとは無関係のオフラインモニターの同時記 録、などの機能だった。
[方法]
1. データ収集ソフトの信頼性向上は、前ソフトの挙動を徹底的に分析し、エラーでソフ トが停止する様々な状況を再現し、対策を講じた。同時にCPUパワーの浪費をしない ようにデータ取り込みの構造を割り込み主体に変更した。
2. .症例別のバイタルサインの記録と一元化もソフトウェアの改訂時に行い、一般的な 表計算ソフトで簡単にトレンドグラフが書けるようにした。ICUと手術室では、デー タ量と区切りの範囲が異なるため、それぞれに対応した。
3. オフラインモニターの同時記録は、手術室に小型のパソコンを設置し、パソコン上に データを収集してネットワークを介してサーバーから取り込むように工夫を重ねてい る。
[結果]
それぞれの機能を改善、実現することができた。
[考察とまとめ]
ネットワーク開設時の熱狂的な機運はすでに過去となり、情報資源の有効利用が問わ れる時代になった。手術室内からのインターネット利用を意図して敷設したケーブル は、データの発生場所にパソコンを配置することでネットワークのノードになり、サー バーにデータを迅速に送りこむことができるようになった。その原動力は、第一線を 退いたがwindows95が利用できるパソコン(80386以上)が数多く使えるようになったこ とが大きい。また、周辺装置もUSBなどにより洗練された。実験運用の後には、可能 な限り小型のコンピューターを配置したいと考えている。
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