英国麻酔科医の仕事量
浅山 健
本文
始めに;99年の本研究会で、米国麻酔科医の仕事量を紹介。今回、75年英国のそれを報告する。 目的;資料がデジタル化されて編集・処理が容易となった現在、その考え方を2000年日本の病院麻酔科に応用する提案である。 方法;WORKLOAD FOR CONSULTANT ANAESTHETISTS UNDER THE EXISTING CONTRACT; Association of Anaesthetists of Great Britain and Ireland, November. 1975外を、Presto! Page Manager, Twain Scanner、NT4.0で処理した。
結果;25前の紙は黄褐色に変化していた。しかし、computerは活字を正確に認識し、結果をWord, Excelに転送した。例外は1/2などの分数、A4版4ページで一桁の2 bites文字化け、25年前の英国文法と現代の米国それの違い。先ず、麻酔科専門医が、医療保険者と契約する仕事量の一例を示す。週に40時間の契約で、手術室勤務、麻酔前後の患者評価、緊急手術待機の換算時間の各数字を示す。
Theatre lists 6x4 1/2 hours =27 hours
Pre- and post-operative assessment =6 hours
Emergency work equivalent of 6 hours
39 hours or 11+ N.H.D.'s
手術室勤務時間と緊急待機が別立て。手術室勤務時間は手術台の麻酔実施時間より長い。
3年後、REPORT OF A WORKING PARTY ON MANPOWER AND STFFING, by the Association, on August,1978, entitled "The Workload and Staffing of 17 Non-Teaching Hospitals in England" が、この仕事量を一般病院の手術件数の必要麻酔科医数に適用。
Anaesthetics administered per year per 200,000 population
General and acute surgery 6,545 Thoracic surgery 163
Neurosurgery 23 Plastic surgery 71
Orthopaedic surgery 985 Ophthalmic surgery 609
Out-patient surgery 805 Electroconvulsive therapy 1,001
Obstetrics 280
TOTAL 1O,410
考察; 麻酔専門医師が、支払側の医療保険者との間の契約で、手術室、病室での勤務時間と、緊急手術に対する待機時間を決めている。その他、専門医になる前の医師の対する勤務時間やその緊急手術に対する当直の回数が夫々決まっていて一般病院の必要麻酔科人員が決まる。
結論; 病院麻酔科を充実するには、先ず、基本となる仕事量を決めねばならないので、25年前の英国例を参考に示した。次に、外科手術に対応する麻酔科医師数が決まる。そして最後に麻酔科に必要な予算を支払側に求めねばならない。
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